温泉の種類と効能

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温泉の種類・効能
記号 温泉の種類 メモ・効能
単純泉(単純泉)
含有成分が1.000mg未満
この温泉は、療養泉(医学的に治療効果のある温泉とされるもの)の規定成分が薄いので単純温泉と呼ばれる。入浴してみると、濁った温泉や鉄臭い温泉など色々違いがあるし、有名な温泉もある。
塩化物泉(食塩泉)
陰イオンの主成分が塩素イオン
日本で一番多い。熱伝導率が高いため入浴時はすぐさま温まる。また入浴後は塩分が肌に付着して汗の蒸発を防ぎ、保温効果が高い。温熱効果によって血行が良くなる。
※ちなみに、海水の塩素イオン濃度:約19g/kg、ナトリウムイオン濃度:約10g/kg
※塩水は真水より重いので水でうめても混ざり難いかも。
炭酸水素塩泉(重曹泉)
陰イオンの主成分が炭酸水素イオン
重曹の働きで皮膚の表面を軟化させるため、皮膚病に効果がある。お風呂から出たとき、さっぱりとした清涼感があり、塩化物泉(食塩泉)とは反対に「冷の湯」とされている。保湿効果があり肌がしっとり。

関連ページ:東北の炭酸水素塩泉
硫酸塩泉(芒硝泉、石膏泉、正苦味泉)
陰イオンの主成分が硫酸イオン
硫酸イオンは血液に多くの酸素を送り込む作用あり。
神経痛、胆道疾患や便秘に効果、糖尿病、痛風の改善

サルフェートとも呼ばれるもので、飲用のミネラルウォーターとしても注目されている。

関連ページ:東北の硫酸塩泉
二酸化炭素泉(炭酸泉)
遊離炭酸1,000mg以上
日本では少なく、貴重な存在。たとえ低温でも湯上がりの肌は紅潮し、温まる特性がある。また、脂や汚れを気泡に吸い付けて取り去ることから、最近はエステなどで人口の炭酸泉が導入されている。毛細血管を拡張、血液循環の促進、血圧低下作用あり。
飲泉では、便秘に効果あり。食前3回と就寝前に飲む。150mlまで/回。
含鉄泉 (鉄泉)
総鉄イオン(鉄Uまたは鉄V)を20r以上
わき出した時は透明、その後サビて変色。人間の造血作用に欠かせない重要な成分、皮膚からもよく吸収される。
酸性泉(酸性泉) 刺激が強いので皮膚の弱い人には危険。抗菌力が優れている。アトピー性皮膚炎の黄色ブドウ球菌の殺菌に良い。白人は肌が弱いのダメか。
酸性泉には亜鉛とマンガンが含まることが多く、これらは入浴時に皮膚から取り込まれ、それによってインスリンの作用が高められ、血糖値を下げる効果が現れる。テレビ番組での実験を見たら、血糖値100ちょっとの人が10〜20下がっていた(二泊三日、普通に旅館の料理を食べて)。
含よう素泉(new)
よう化物イオンを10mg以上
環境省のでは、飲用で高コレステロール血症に良いと‥
硫黄泉(硫化水素泉)
総硫黄(硫化水素イオン+チオ硫酸イオン+遊離硫化水素)2r以上
・地上に出てきた時は透明に近くて、酸化すると白濁する。鼻にツンとくる硫黄臭がし、気体系を硫化水素型と呼ぶ。→実は硫黄は無臭で、匂いがあるのは「硫黄と水素の化合物である硫化水素」なのだそうな‥。
・効能多いが効力きつい。慢性皮膚病糖尿病に効果あり(硫黄成分はインスリンの生成を助ける)。またメラニンを分解するとも、漂白作用があるとも。
※湯上りにはシャワーで硫黄を流した方がよいでしょう。2,3日匂いが取れないし、服にも匂いが‥。自分じゃ気付かない場合もね。
放射能泉(放射能泉)
ラドンを20キューリー以上
ホルミシス効果(生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用)があるとされる。
湯の中から放出されるラドン(気体)は呼吸とともに体内に取り込まれる。ラジウムは水溶性。
1キューリー(10^-10 Ci):3.7ベクレル(Bq)
※キューリーは次回改定から、10^-9のナノキューリーに統一した方がよいのでは。
人工温泉 トロン、ラドン、明光石、ヘルストン、麦飯石温泉などがある。
その他 湧水、井戸水、水道水、その他
共通)
  • カルシウムイオン:炎症の鎮静作用
  • マグネシウムイオン:炎症の抑制効果
  • ナトリウムイオン:角質化した皮膚の乳化作用 ホルモンバランスを整えるので更年期障害に良い。
  • アルミニウムイオン:傷の治癒を促す 殺菌作用
  • 硫酸塩泉:無色透明で、温泉か?と疑ってしまう せっけんの泡立ちが悪い。
  • 鉄:殺菌作用
  • ホウ酸:目の洗浄に実際に使っているらしい。
  • メタケイ酸:体をコーティングしてあたためる、保湿効果、肌の新陳代謝を促進。
    ・兵庫県の湯村温泉はこのメタケイ酸が多く含まれ(192mg)、温泉水を使って洗髪した後は髪がいい感じになり、リンスがいらないんだとか。
    ・整胃剤のパンシロンにもメタケイ酸(240mg)が入れられているそうですよ。
  • アルカリ性の温泉:皮膚の角質を溶かし、キレイにする。長く入りすぎても、短くてもダメ。10〜15分くらいが良い。
  • 打たせ湯:肩たたき&加温効果で肩こりに効く。実際に硬度計で測ったところ、31→20(5分後)。
  • 寝湯:何の効果があるんだと思う寝湯も、深く沈まない分、水圧の負担が少なく、血流が良くなる効果がちゃんとあり。

泉質別適応症(環境省2014年版)
- 適応症
泉質 浴用 飲用
単純温泉 自律神経不安定症、不眠症、うつ 状態 -
塩化物泉 きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 萎縮性胃炎、便秘
炭酸水素塩泉 きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)
硫酸塩泉 塩化物泉に同じ 胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
二酸化炭素泉 きりきず、末梢循環障害、冷え性、律神経不安定症 胃腸機能低下
含鉄泉 - 鉄欠乏性貧血
酸性泉 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症 慢性消化器病
含よう素泉 - 高コレステロール血症
硫黄泉 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型については、末梢循環障害を加える) 耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症
放射能泉 高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など -

 ◯一般的適応症(浴用)
筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

 ×一般的禁忌症(きんきしょう):ダメなこと(浴用)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

 ×泉質別禁忌症
- 浴用 飲用
酸性泉 皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症 -
硫黄泉 酸性泉に同じ -

 ×含有成分別禁忌症(/Aは普通に表示されているmg換算)
- 浴用 飲用
ナトリウムイオンを含む温泉を1日(1,200/A)×1,000mLを超えて飲用する場合 - 塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、虚血性心疾患、高血圧など)
カリウムイオンを含む温泉を1日(900/A)×1,000mLを超えて飲用する場合 - カリウム制限の必要な病態(腎不全、副腎皮質機能低下症)
マグネシウムイオンを含む温泉を1日(300/A)×1,000mLを超えて飲用する場合 - 下痢、腎不全
よう化物イオンを含む温泉を1 日(0.1/A)×1,000mLを超えて飲用する場合 - 甲状腺機能亢進症

・各浴場の表示では、その他に温泉特有の適応症などが掲示されている場合があるようです。

浸透圧
低:低張泉(溶存物質総量:8g未満/kg)
等:等張泉(溶存物質総量:8〜10g/kg)
高:高張泉(溶存物質総量:10g以上/kg)
pH3未満 酸性
pH3-6 弱酸性
pH6-7.5 中性
pH7.5-8.5 弱アルカリ性
pH8.5以上 アルカリ性

冷鉱泉 25℃未満
低温泉 25℃以上34℃未満
温泉泉 34℃以上42℃未満
高温泉 42℃以上
>熱い湯
 「熱い湯」に浸かると、自律神経の交感神経が優位になり、目が覚めてシャキッとします。また、汗をかくくらい浸かると体温が上がり、免疫機能が活性化されると言われています。

 最近では、42度のお湯に5分くらい浸かると、熱ショックたんぱく質が増えて細胞の修復機能が増し、シミ・シワなどが改善される、等とも言われていますね。‥ぬるい湯に長く使っても効果あるというので、ややこしい。

 ただ、「熱い湯」は以下の危険にもご注意ください。
  • のぼせによる’ふらつき’(転倒)
  • 血栓ができやすくなる(42℃以上での長湯)
  • 忘れてはいけない、熱中症
  • 心臓が悪い人を無理に誘ってはいけない
>ぬるい湯
 「ぬるい湯」に浸かると、、自律神経の副交感神経が優位になり、血管が開いて全身の細部にまで血液が行き渡ります。そして心身がリラックスして眠くなったりします。

 まあ、いろいろ諸説ありますが、15分ぐらい浸かったら上がった方が良いとも‥。(湯あたりとか、自律神経が乱れている人への影響も考えてだったような)。
飲泉)
☆飲泉は「飲泉可」の表示、または飲泉場のあるところで飲みましょう。
ちなみに、
・ヒ素の環境基準:0.01ミリグラム以下(水1リットルあたり)。これを超えている温泉、時々見かけます。

よく出てくる温泉用語)
  • アブラ臭 : 石油系の匂いで、ビニールに似た匂いや、クレゾールに似た匂いの時もある。
  • モール臭 : 基本的にアブラ臭の一種で、ウイスキーの甘い香りのような匂いがする。
  • モール温泉 : モール泉とも言う。ドイツ語が起源で、泥炭や亜炭層から湧き出る茶色〜黒っぽい温泉を言う。東京の黒湯が有名で、東北では福島の「天神岬温泉」、宮城では「東鳴子、三本木」、秋田の八郎湖付近、青森の東北温泉などがそうであると思う。一般にこれらはフミン酸(腐植物質を元にする)によるものと言われています。
  • 笹濁り : 温泉通の人がよく使う言葉ですが、釣り人が使用する言葉の「笹濁りの川」(少し濁った川)、を語源とするものではないかと思われます。また、昔、酒のことを「ささ」と呼んだことから、日本酒で少し濁った酒のことを笹濁りの酒と呼んだりしますね。この場合、色は白でややっこしくなります。なので、私は「笹色に濁ったお湯」と表現しています。
  • 硫黄臭:「硫黄の臭い」は、硫黄と水素の化合物である’硫化水素’によるものだそうですが、当サイトでは便宜的に、またみなさんが分かりやすいように’硫黄臭’としています。
  • ワニ : (混浴)風呂で朝から晩までジッと動かず、獲物を待っている動物。

その他)
  • 入湯税は地方税法で150円が標準とされておりますが、各自治体が勝手に増減できるとな。



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