麩まんじゅう
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麩まんじゅう (京都)
「麩まんじゅう」というものは、意外と全国にある饅頭なのである。が、それらは生麩を使用しており賞味期限が短いことから、土産屋などには置かれず、甘味処などのメニューに粛として載せられてある大人の饅頭なのだ。また、京都では茶懐石料理や精進料理には欠かせないもの、らしい。
して、饅頭といえばデンプンが主成分の小麦粉の生地で作られるのがほとんどであるが、「麩まんじゅう」は小麦粉の一部、タンパク質のグルテンが主成分の生地で作られる変わりもの。で、そのツルッとしたノド越しから、夏の和菓子とも称されているのだよね~。
と、箱から取り出したはよいが、生地にピッタリくっついた笹の葉を、どう開けてよいのか分からず苦悩。まあそこは器用な人間の手、適当に剥がして、やっとお出ましになった「麩まんじゅう」。一見、草餅のような雰囲気があり、鼻を近づけると思った通りヨモギの匂いがした。
食べてみると、おう、これはまさしく「麩」だ。麩の香りと、ふんわりとしたモチモチ感がじわっとくる。その弾力は強力でなかなか噛み切れないが、一度切れると観念したように素直に平伏する。これはまた、中のアンコも上品。なるほど~、そんじょそこらに無い饅頭だね~。これなら料亭のデザートに出てきそう。む~、こりゃ、おおかた料理じゃな~。
メモ)
ちなみに、どこにでも見かけるフワッとした「麩」(くるま麩など)は焼き麩というもので、グルテンと小麦粉を混ぜて作られたもの。そして今回の「麩まんじゅう」は生麩と呼ばれ、グルテンに米粉を混ぜたもの。
それから、いちおう頭の片隅に入れておいてもらいたいのが、西洋ではグルテンフリーという言葉があり、穀物に含有するグルテンに起因する病気やアレルギーから身体を守るために、グルテンを遠ざける行為である。
が、現在ではそれが拡大解釈され、美容や健康のためにグルテンフリーが流行し。なので、西洋人へのお土産に「麩」を持っていくことは、とりあえず控えた方がよいかも~。
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