きよめ餅

（愛知）

　その姿をひと目見て「それは旨い餅に違いない」と思ったこの小さな大福餅。しかもそれはネット上にある宣伝用の画像を見ての話。にもかかわらず「旨いに違いない」と思ってはばからないのじゃよ。あ～、一目惚れって、こういうことなのか～。

　ちなみに、この「きよめ餅」は、主に名古屋の熱田神宮境内「お休み処清め茶屋」にて売られているもので、その元締めは「株式会社きよめ餅総本家」となっていた。で、そこには天明5年（1785年）頃、参拝者で賑わう熱田神宮にきよめ茶屋が設けられ‥、とだけ説明されており、経営本体が何だかつかめない。んー、熱田神宮が経営していると考えていいんだよね～、きっと。

　それから、1990年代には名古屋・中京ローカル局にて、この「きよめ餅」のCMが流されていたそう。

　おや、案外頑丈に包んであるぞ～「きよめ餅」。して、その箱の中にあるパッケージを開けてみれば、ほほう、きれいに並んだ「きよめ餅」のお出ましじゃ～。おや、なんだか思ったより小さいんじゃな～い。まあだいたい、ピンポン玉を潰したぐらいの感じかな～。で、匂いはやっぱり大福の匂いを発するよ～。

　それから半分に切ってみると、あの柔らかい羽二重餅であんこをくるんでいる様子で、外側には片栗粉をまぶしてある。して食べてみると、甘さは程々にしっかりとあり、悪くはないけど、普通に美味しい範囲内であるかも～と。まあそれでも、長い年月をかけて培われた、上品で誰にも嫌われない味を有し、更には熱田神宮の有り難味もあることだしね～。

　普段、大福には全く興味を示さない家人が、この餅では自分の領分を主張してきた。どうも、常人には分からない魔力みたいなものがあるらしい。