古印最中
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古印最中 (栃木)
足利市は、京で室町幕府を開いた足利尊氏の出身母体、足利氏の発祥の地である。市内には足利氏ゆかりの「ばん阿寺(ばんなじ)」や、日本最古の学校といわれる足利学校など、歴史的価値のある文化財が数多く存在する。そんなわけで、その歴史文化にちなんだお菓子、古印最中が昭和20年に誕生したわけなのだ。
そのお店、香雲堂本店の古印最中は、足利名物として地元では たいそう有名で、お土産・手土産なら古印最中と相場は決まっているのである。
包みをとき箱を開けてみると、七種類ある古印のうち今回のは4種類の古印が入っていたようだ(‥と思ったら、形が4つでも印影[中の文字]が違ったりする)。その箱の中には、パズルのようにギッシリと最中が詰められ、手に持つとズッシリと重い。一つだけ手に取ってみても、かなり大きく、重量感がある。
その最中を半分に切ってみたら、中には大きな小豆のツブツブが芸術的に黒光りし、その小豆の色合いも鮮やかだ。また最中独特の香りも、良い空気を漂わせるね~。
食べてみれば、素朴な風味の小豆餡がどこか懐かしさを覚えさせ、人々を郷愁に誘い、そして幸せにするよ。うーん、こりゃうまい。粋を追求し練りに練った餡ではなく、小豆の素材を活かし実直に作り上げた小豆餡だと感じる。このデッカイ最中は、2個食べたら、もう大満足。‥いや、2個は食べ過ぎかも~。
メモ)
後日、テレビで和菓子職人さんが発した言葉を思い出した。それは「小豆つぶあんを炊くのは難しい」と。そう、「つぶあん」を作るのには数多くの手間暇がかかるもの。そしてまた小豆の皮も素材の一部として使うものだから、全体を完璧に仕上げるには熟練と根気を要するのだよね、きっと。
よく思い出してみれば、旨いまずいがハッキリと現れるのは「つぶあん」なのだ。「こしあん」はある程度、どれを食べてもおいしいのであるが、「つぶあん」はそうはいかないんだよね~。 |
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