白桃

（岡山）

　夏の果実といえば、桃。桃は姿かたちが美しく、目でも楽しめ、食べてもおいしい、素晴らしい果物だ。中国では昔から不老長寿の薬として尊ばれてきたそうだが、それも素直に納得できるもの。日本でも、ここ岡山の桃太郎伝説のように、中から英雄も生まれてくる、大した果物なのだ。

　ちなみに、桃は明治に入ってから（中国の水蜜桃系を起源とし）食用として本格的に改良され、日本全国に広まったという。日本にも桃自体は昔からあったが、それ以前は観賞用で食用にはあまりされなかったらしい。桃は意外と作柄（育ち具合いや出来具合い）にバラツキがある果物で、大体はおいしいのであるが、そのおいしさはピンからキリまで様々なんだよね。

　と、今現在、日本のフルーツが近隣国にてコピーされ、日本の農家が損害を被こうむっているが、昔は逆に近隣国からコピーしてきたっていうことなんだね。でも、その時迷惑はかけていないと思うが。

　桃は冷やし過ぎるといけないとか、食べる直前に冷やすとか、少し面倒な管理が必要であるが、今回の桃は見た感じ全部熟れている様子なので、すぐに冷蔵庫へ直行。２,３時間後、食べる30分前に出して食してみた。

　まあ普通に外側のケバケバを水で洗い流して、皮のままかぶりついてみたら、おー、こりゃ、旨い、旨すぎる。なんなんだこの味わい。近年に食べた桃の中で一番の出来である。たまたま当りだったのか、予想を超えた美味しさで、喉とこころを潤した。それで、今回の白桃は基本は白いのだが、まあまあ赤い部分も多い。中身は赤味を帯びていたり、外皮と同じ白色だったりしていた。あとは、中が黄色いのが黄桃なんだと。

（冷蔵庫で保存後、翌日、食べてみると）
　あれ？昨日のおいしさがなくなっている。一級品が三級品へ、ビールが第三のビールになったかのように、かなりの衝撃で劣化しているではないか。やはり「冷蔵庫で保存してはいけない」ものだったようだね。しかし、こんなにも差が出るものだったとは。

追記）
　桃の保存には、アルミホイル保存がいいようで。