秋田諸越 御幸の華
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秋田もろこし (諸越)
秋田県民でも、今ではなかなか口にしないという秋田諸越(もろこし)。このたび、思い切って挑戦してみることに。何故に「なかなか口にしない」かといえば、何しろ硬くて仕方ないのだそう。
ちなみに「はぁ~仕方ない」は、秋田県民同士の会話の中に頻繁に出てくる、あいづちにも近い、便利な言葉なのである。
秋田諸越は落雁の一種であるが、もち米で作る通常の落雁とは一線を画し、小豆の粉と砂糖だけで作る和菓子なのだ。秋田県内にはこの秋田諸越を作るお菓子屋さんが数多く存在するが、今回はその中から昭和天皇にも献上致した実績のある秋田市の老舗、榮太楼の「御幸の華」と名する秋田諸越を頂いてみよう。あ、元祖は杉山壽山堂(秋田市)の方なんだけどね~。
紙包みを開けてみると、薄茶色の四角い「もろこし」が出てきた。表面にはそれぞれ違った絵が、立体的に型どられている。パキンと半分に折って口に入れてみれば、なるほど~、すこぶる硬い。が、噛めない程ではない。何気なくなめていたら、ゆるやかに溶けていくよ~。ほほう、これは落雁というよりも、硬さは別として、この軽い甘さと香ばしさが、麦こうせん(麦こがし)に近い風味に感じるぞな。
現代では素朴すぎる感はあるが、これはこれで想像したより、ウワサに聞くより、も面白い。「なめるお菓子!」のサブタイトルを付ければ、もっと受け入れ易いかも知れないね~。と思いを巡らしながら4つも食べてしまっていた。食後、テーブルの上は粉粉じゃ~。
追記)
近頃では、やわらかい「生もろこし」なる物も売られているようで。が、柔らかだったら、このお菓子の存在価値が半減するようにも思うのだがね。 |
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