蕎麦ぼうろ
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蕎麦ぼうろ (京都)
ある日、涙が出るほど懐かしいお菓子の缶を見つけてしまった。その名は「蕎麦ぼうろ」。実は「蕎麦ぼうろ」と聞いても、それを見ても、ピンと来なかったのであったが、そのお菓子の缶箱を見て「あっ」と。その何ともいえない渋いカラーの肌色の缶箱が、記憶の奥底に沈んでいたものを呼び起こさせ、今、やさしい空気と共に。
ちなみに「ぼうろ(ボーロ)」は、ポルトガルやオランダから伝えられた焼き菓子で、九州には丸ぼうろという名で、今でもちゃんと愛されている。
で、明治の末、なんと京都の蕎麦屋「河道屋」が、蕎麦粉をぼうろに加えて梅型に焼いて売り出したのが「蕎麦ぼうろ」の始まり。以後、京名物として他店にも引き継がれたりしながら、今に続いているのだと。
その個性的な色合いの缶箱を開けてみると、麦こがし(麦こうせん)のような独特な香りがしてきた。その蕎麦ぼうろは梅の花型のがほとんどで、丸い小粒(つぼみ)のも少しばかり入っているよう。
一つ食べてみると、カリカリ・ポリポリ、おう旨い。カリポリ食感を少しの間楽しむと、あとは自然に溶けて消えて行く。噛まずに舐めても溶ける気はするが、自分はとうてい我慢できず、噛んでしまうのよ。以前食べたパンのような軟らかい、九州の「丸ぼうろ」とは全然違うよ。
このほんのり甘くて素朴な軽いお菓子、他にはたとえようがないが、強いて言うとクッキーかマカロンの感じかな。初めて食べた家人は、蕎麦の香りが強くすると訴えていた。
メモ)
この、今回食べた「かわみち屋」は、昔のラジオ時代にラジオCMを流して有名になり、現在でも皆さんに親しまれている会社。また前述に出てきた漢字の「河道屋」はそれとは別の会社で「蕎麦ぼうる(蕎麦ほうる)」という商品を販売している、説明通りの元祖なのだそう。と、色んな会社が作っているらしい「そばぼうろ」なんだね~。
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