よいとまけ

（北海道）

　苫小牧市民に愛されているお菓子に、「日本一食べにくい」という噂のものがある。その名も変哲な「よいとまけ」。どうやら、ロールカステラにハスカップジャムをいっぱい塗りたくった、ベトベトの代物なもので「日本一食べにくい」という噂になったよう。

　なんじゃそりゃ、食べさせてくれたまえ。‥現在はカットしてあるので、それほど食べにくくもないようだが。

　ちなみに「よいとまけ」の品名の由来は、地元製紙工場へ原料の丸太を運ぶ際、おじさん達が「よいとまけ」と掛け声をかけたことに由来するそうだ。もちろん、ロールケーキは丸太にも似せて作ってあるよ。

追記）
　2015.12.31 美輪明宏さんが、NHK紅白歌合戦で『ヨイトマケの唄』を歌い、素晴らしいと話題になった。その歌は美輪明宏さんの自作のものらしいが、上記の北海道の風景がよく描かれていたんだよね。

　最初、赤いロールケーキの外側は硬いのかと思っていたが、それは柔らかいもの。いちおうオブラートで包んであるが、それでも多少ベトベトしている。匂いをかいでみると、ちょっと変わったジャムの香り。ふむふむ、こりゃハスカップの匂いだな～。なるほどオブラートが無いと、せっかくの貴重なハスカップジャムが周りにくっついて剥がれてしまうのだね～。

　で、小さなフォークでケーキを崩し、その一片を口に運んでみたら、お～、これはやっぱりハスカップの風味。時折シャリッとする歯ごたえは、砂糖なのかな～。んと、アルコール分をぬいた、濃厚でしっとりとしたブランデーケーキにも似ている感じで、ハスカップジャムの酸味が特徴的である。名前は和風で、垢抜けない外観は昭和的、でも味は洋風だね～。まあ、このハスカップの甘酸っぱさは、他には無い風味なのだよ。

メモ）
　どうやらこのお菓子屋さんは、最近話題になった小説・蟹工船の作家、小林多喜二さんの伯父さんとその長男が、明治31年に始めた菓子屋さんのようであるね～。