タイラギ漁 6季連続見送りへ
有明海特産の二枚貝タイラギ漁について、24日県内の漁業者が会議を開き「漁獲できる貝がない」として漁期前の生息調査をしないことを決めました。6シーズン連続で漁が見送られる見通しです。
タイラギ、生息密度低く 有明海環境改善で協議
2015年度から3年間実施する二枚貝の幼生と稚貝の調査では、主漁場である福岡県大牟田沖や熊本県菊池川沖でアサリの幼生が多く見つかり、県内でも塩田川河口などで生息が確認された。タイラギは生息密度が非常に低く、稚貝が確認されたのは大牟田沖など2カ所だけだった。
タイラギ漁の潜水服
オレンジ色の厚手の生地に、ぶかっとした独特のフォルム。有明海沿岸の藤津郡太良町大浦地区の漁師が、海底に生息する高級二枚貝のタイラギを採る際に着る潜水服だ。
タイラギの漁期は冬。潜水服がゆったりめに作ってあるのは、極寒の海底でも寒くないように下に毛糸
今季厳しい佐賀沖タイラギ 稚貝は広範囲に生息 有明海
県有明水産振興センターは、佐賀、福岡両県沖の有明海で実施した二枚貝タイラギの稚貝の生息調査結果を公表した。成貝(せいがい)の調査(12-20日)と並行して実施。両県沖の対象55地点のうち27地点に及ぶ広範囲で、近年にない数の稚貝を確認したとしている。
佐賀沖では今季の主力漁場と期待された太良町と鹿島市沖で、7-8月にかけ成貝が大量死。今回調査でも成貝はほとんど確認されず、佐賀沖での今季の漁は困難な情勢になっている。
一方、今回確認した稚貝が大量死などに見舞われず、順調に育った場合、同センターは「来季以降、両県沖で一定の漁場が形成される可能性がある」と期待感を示している。
タイラギ 13年ぶり豊漁…佐賀
有明海の今季のタイラギ漁は30日で終了した。今シーズンは13年ぶりの豊漁となったため、県内のタイラギ漁の中心地である太良町には活気が戻り、海に潜り始める“新人”の姿が久しぶりに見られた。(浜村勇)
太良町の県有明海漁協大浦支所によると、昨年12月13日~4月末で水揚げ量は、貝柱で約112トン。近年は不漁続きで、昨季は940キロ、2年前は2キロだっただけに、同支所の赤木勝蔵運営委員長は「町に活気があった。来季も順調に行ってくれれば」と期待する。ただ、漁業者からは「良い気象条件が重なっただけ。有明海が回復したわけではない」という声が強い。
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