ザクロ

（アメリカ）

　ザクロは、とてもステキな名前で、聞くからに見るからにおいしそうなのである。でも、身近なようであって、自分は見たことも食べたことも無い。で、ある日「家の庭にあったよ」という人から話を聞くと、あまりかんばしい応こたえが返って来なくて。え～、どういうこと～、こりゃ食べてみずにはいられないかも～。

　ちなみにザクロの原産地は、イラン東部からヒマラヤ山地とされるが、現在では世界中で栽培されるもの。また日本でも育ち、１０月ごろに結実するが、主に家の庭にあるだけで農産物としては作られていないよう。して、日本に輸入される果実としてのザクロは、チリ産、カリフォルニア産、イラン産などが多いそう。

　手に取ってみた赤いザクロは、見た目よりもズッシリと重く、野球のボールよりひと回り大きく、ガッシリと硬い感触なのだ。で、包丁で切ってみると、中には皮と同じ紅色のツブツブの種（実）がビッシリと詰まっていた。そして匂いが意外や意外、青臭くて食べ物とは思えない気配がするぞよ～。

　それでもめげずに、半分に切った後、手でほじくるようにして実を取り出して食べてみると（スプーンでは無理）、種の周りにある実の部分をシャキシャキと噛みながらしゃぶって、後は自然に種を口から放り出す方式に。

　そして味の方は意外に淡白で、素朴でやさしい感じの、物足りなさを感じるかも知れない、甘味と酸っぱさなのであった。んー、そうじゃの～、果実というより、花の蜜のような風味かな～。