東北な温泉
温泉突進レポート

玉川温泉


〒014-1205 秋田県仙北市田沢湖玉川 TEL.0187-58-3000

入浴 800円
その他に、丸見え荒野の露天風呂(無料)、岩盤浴
入浴、食事、宿泊、湯治

標高 約740m

 5月、田沢湖の奥の山中にある秘湯、玉川温泉へとやって来ました。ここは世界的にも有名で、そしてまた貴重な温泉でありまして。

 初めて行ったときは本当に驚きました。駐車場が満杯で、しかもその駐車場で寝泊りしながら温泉入浴や岩盤浴をしている方々がいたのです。それも普通の方々ではありません。どこか体の調子の悪い方々が、ワラをもすがる思いで、ここに来ていたのです。

 それは、こちらには世界の2カ所にしかないという、北投石(ラジウムを含み放射能を放って癌に効くといわれる)があり、皆さんがそれらの効果を求めて、遠くからわざわざ来ておられるんです。
 こちらで老夫婦が温かい岩盤のある所を探しながら、片足を引きずるようにして、さまよっている姿を見かけました。これには目頭が熱くなり、今でもその光景が目に浮かびます。辺りの風景は地獄絵そのものですが、遊歩道の脇に無料露天風呂があったりで、観光客の天国でもあり、観光客と病を癒しに来た方が混在し、ちょっと複雑な思いもしてくる光景が見られるのです。

 荒涼とした地獄地域の下方には古びた旅館があり、こちらが玉川温泉と呼ばれる施設です。もっと下流の、車でちょっと行った所(歩いても行ける)に新玉川温泉という近代的なホテルもありまして、私は2度目に行ったときに、こちらのホテルに泊まらせて頂きました。

 ここは(上記の)岩盤浴も意義深いですが、旅館やホテルにある強酸性(珍しい塩酸を含む)の温泉も負けてはおりません。源泉100%の湯船が真ん中にあり、その周りにそれぞれ少しずつ薄めたお湯の浴槽がずらりと並び、源泉100%のお湯は長湯禁止のため、空いていることが多く、そこは神聖な場所にさえ見えてくるのです。

 そのホテルでは、部屋食なんて贅沢なことはできません。食事も食堂でみなさんと一緒で、内容も健康食(質素と言ったらよいか)そのものですから。私が行った時はテレビも映りませんでしたよ(電波が届かないから)。それと、冬は車では行けません。雪上車が迎えに来るのを待つのです。

 それまで「温泉なんて皆同じ」と思っていたんですが、この温泉が私に温泉の偉大さを(いろんな意味で)教えてくれたのです。自分には聖地みたいなものでございまーす。

泉質:酸性・含二酸化炭素・含鉄・アルミニウム-塩化物泉 97.5℃ pH1.13 8,400L/M 源泉:玉川温泉(大噴)

カルシウム 127, アルミニウム 209, 鉄Ⅱ 138, 塩素 3501, 硫酸水素 970, 硫酸 388, メタケイ酸 405, 遊離二酸化炭素 2195, 総ヒソ 3.78(分析:平成23年)

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