東北を行け
観光突進レポート

観光Top宮城の観光

金華山

(南三陸の名勝に登る、フェリーで海も渡る)
宮城県石巻市鮎川浜金華山 TEL.なし
標高:444m、周囲:約3km、ケヤキ・ブナ・モミの木などが生育
 2月、南三陸、牡鹿半島(おしかはんとう)の先っぽにポツンと離れてある離島「金華山(きんかさん)」へ、軽~い気持ちで突撃してしまいましてね~。しかも、真冬にです。それは牡鹿半島の宿に泊まった翌日、目の前の島に、何の気なしにちょっとだけ行って見ようかと思ったのが始まり。

 でもそこは、ほとんどがハイキングコースというかトレッキングコースというか、普段着のママ、気軽に行くところではなかったのです。で、島の船着場近くにある黄金山神社より先に行くときは、飲み物と食べ物を持ち、しっかりした装備で一日(または半日)がかりで行く所だったようなのです。

 で、島へ渡るフェリーは牡鹿半島の、金華山とは反対側の鮎川から出ており、9:30発便には私ども以外には誰も乗っておらず、不安と寂しさを醸成させるものでありましてね~。ここは夏にはウミネコが飛んできて餌をねだったりしますが、冬の今は冷たい風がビュービューと吹くだけで、虫すら飛んで来ないのです。

 話は最初に戻りますが、鮎川から乗船後、見事な岩山が連なる三陸海岸の景色を眺めながら海上を行くと、フェリー(普通便)に乗って25分で到着です。この辺は大きな半島の先端だけあって、海の色もとてもきれいなのです。本当にコバルトブルーなんですよね~。

 そして、金華山(島)に着いてビックリ。え、なぜ車があるの?(道路なんてあるのかい?)。まあ、それはさておき、とりあえず先へ続く坂道を上って行こう。‥事前調査ゼロのぶっつけ本番で来たもので、どうしてよいか分からずに前進。

 と、途中の原っぱには鹿がいて、枯れた草原の草を食(は)んでいるところ。野生ということになっていますが、野生の鹿には見えませぬな~。その先へもう少し行くと黄金山神社があり、そこは宿泊施設も兼ねているよう。

 して、そこにあった案内図を見ると、山頂を通って島の裏側の千畳敷に行けるように書いてあったもので、何気なく脳天気に行ってみることに致しましてね~。



 そこから上り道を突進してみたら、神社を過ぎる頃には道が一変し。はい、普通の道ではなくて登山道ですね~(というより獣道に近い)。で、頂上まで1.5Kmと書いてあったのに「登山の1.5Km」への想像力も洞察力も無くしてしまっていた私は、修行しろとのお導きに諭されるように、上へ上へと。

 と、中学時代の野球部の辛い特訓を思い出しながら、死ぬ思いでやっと辿り着いたのが途中の水神社。喉が渇いて仕方ないのですが、沢水を飲むのはやめておきまして(細菌に弱い体質なもので‥、イヤたぶん胃が弱い)。で、しばらくすると前方から山を下りてくる人と出会います。「こんにちは~」と向こうから声をかけられ、こちらも慌てて挨拶を返しますね~。下界で人に会っても挨拶はしないものですが、山での挨拶は常識なのです。

 で、1時間ぐらいかけてやっと山頂に到着、標高444m。そこに神社があったので参拝。眺望は言うまでもなく最高で、半島を挟んで反対側にある網地島(あじしま)も見えていますね~。‥あ~、なんだか疲れた、これを書くのも~。

 そこから頂上を越え、反対側の千畳敷へ行くと、今からだと午後の予定に差し支えるので、引き返すことに。実のところ、喉が渇き、体力も限界。

 今、11時半。フェリーの時間は12時ジャスト、え、間に合うのか~!



 と、猿もいると聞いていましたが、本当にいました。左の写真の真ん中にいるのが猿です。3倍ズーム写真では見えないかも知れませんけど。

 右の写真は帰りに会った人々。服装を見てください、みなさん、あんな格好なんですのよ。私達だけふだん着なんです。恥ずかしい。

 で、足をガクガクさせながら、こんな簡単に書いて終われない程、必死で駆け下り、やっとのことでフェリーに間にあいまして。‥て言うか、ドタバタと走って行ったら、船が待ってくれていて。んー、むちゃして下山したら、山頂から32分で到着。もう、二度とイヤです。

 して、フェリーに乗ってみると、どこから現れたのか30人くらいの観光客軍団がおり、ノン気にカラオケを歌っているではあ~りませぬか。おそらく、あの神社に泊まったのでしょうね~。と、カラオケを聞きながら海を眺め、やっと安堵。人生、山あり、谷あり、海あり、船あり。

 ‥金華山の神様が、この〝うつけもの〟に試練を与えたのでしょう。

金華山の猿)
 金華山の猿はニホンザルで、およそ240匹(6グループ)生息。冬季は海藻を食べて飢えをしのぐ。
宿泊は石巻のホテル旅館一覧
©東北を行け0202 , 18rw , Update:2024/09/17