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レジオネラ菌

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レジオネラ菌


レジオネラ  公衆浴場などでよく問題になっているものに、レジオネラ菌があります。

- メモ -

 レジオネラ菌の種類は、現在分かっているだけでも30種類以上あり、歴史が浅く研究は遅れている。大腸菌などと比べると、生息できる温度の幅が広い。25℃~45℃の範囲で増殖。アメーバや藻の体内に入り込んで増える。60℃以上あれば死ぬ。

 自然界では、土壌や川、湖沼など広く分布し、ビルの空調冷却塔や循環式浴槽などにも生息し、細かい水滴に交ざって人体に入ることがある。レジオネラ菌が発生した浴槽で、ジャグジー、打たせ湯、気泡発生装置などの霧を発生する仕組みがあると危険が高い。特に循環ろ過装置を利用している浴槽に、これらの施設がある場合は危険である。

 営業者の衛生意識は非常に低いことが現状で、意識が高い営業者であっても、循環ろ過装置を安全に管理することは非常に難しいもの。

 発症した時の症状は、重症になることもあるレジオネラ肺炎と、発熱・頭痛など軽度のポンティアック熱がある。抵抗力の弱い高齢者がかかりやすく、特に肺の状態が良くない人は発症しやすい。吸い込む量も問題で、若人でも大量に吸うと危ない。

 平成11年9月に感染症新法が施行されたことに伴い、レジオネラ症が4類の感染症となり、医者は保健所への報告義務が課せられた。潜伏期間内(2~12日)に熱などが出たら、医師に入浴したことを言った方が良い。レジオネラ症の診断は特殊な培地が必要で難しいが、抗生物質で治療できる。

- 2002年の事例 -

 宮崎市が市内の公衆浴場・57施設の検査を行ったところ、9施設から最大で厚生労働省の基準の1400倍のレジオネラ菌が検出された。15施設で残留塩素が同省の基準を下回った。実はこの前に一度検査し指導した後の再検査が今回の結果だった。

「なぜ再検査に至ったかというと」
・2002.08日向サンパーク温泉でジオネラ症集団感染が発生。246人の患者が出てしまった。このうち確定患者は22人(うち死亡3人)、疑いのある患者が224人(うち死亡2人)の大事件が起こったからである。



 仙台市は2001年に58の許可施設(84浴槽)を検査したところ、42浴槽から国の基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたと発表。2002年内に市内の全施設(210施設)を検査・指導するという。
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