東京駅と飯坂温泉結ぶ高速バス　片道１９００円で運行開始

　片道１９００円で飯坂温泉（福島市）と東京駅を結ぶ高速バス「温泉ライナー」が１日、運行を始めた。東北新幹線全線開業で、福島県は通過地になりかねないと危ぶむ観光関係者は「首都圏からの誘客の足掛かりになる」と期待する。

　運行するのは、主に夜間の高速バスを運営するハーヴェストホールディングス（大阪）。１日、東京と大阪から各地の温泉地１３カ所への高速バス運行を始めた。東北は飯坂温泉のみ。同社は「交通手段が複雑で、温泉地へ行くことをためらっている人が気軽に行けるようにしたい」と説明する。
　毎日、東京駅を午前８時に出発、ＪＲ福島駅を経由して午後１時ごろに福島交通飯坂温泉駅に到着する。帰りは飯坂温泉駅を午後２時４０分ごろ出発する。飯坂温泉ではホテル聚楽、穴原温泉吉川屋にも停車する。

　運行期間は来年３月までを予定。土曜の東京発と日祝日の福島発は片道２４００円。１２月３１日から１月６日は運休。連絡先はハーヴェストホールディングス、フリーダイヤル（０８００）８８８４８９５。

東北新幹線、仙台～東京の往復１万円　元日限定

　東日本旅客鉄道（ＪＲ東日本）は2011年１月１日の日帰りでの使用限定で、仙台駅などから東京駅に向かう新幹線の指定席切符を往復１万円で売り出す。仙台駅―東京駅の繁忙期の往復料金２万1580円に比べ、１万円以上割安になる。12月４日の東北新幹線全線開業を記念しての試み。初詣でや新年の日帰り旅行客などの利用を見込む。

　２人分以上からの申し込みに限り、12月１～14日の２週間、限定発売する。仙台駅発着のほか、福島駅や郡山駅、山形駅など南東北の計17駅から東京駅までの新幹線の往復券を、東京駅構内での買い物券１千円分を付けて、合計１万円で販売する（子どもは5500円）。やまびこ号やつばさ号が対象になる。

車中泊のルール作りへ いわき 道の駅で社会実験

　いわき市四倉町の「道の駅よつくら港」で２２日～３１日、車中泊のルールづくりと施設整備に向けた社会実験が行われる。

　社会実験は、道の駅の利用増や使いやすさを考える一環として、東北地方の道の駅、自治体、民間施設、大学などでつくる「東北『道の駅』車中泊研究会」（仙台市）が実施する。

　車中泊は、宿泊費を節約したり、のんびり旅をしたりする人に広がっている。しかし、道の駅のトイレで洗濯をして汚したままにする人や、ゴミをポイ捨てするなどマナーの悪い人が少なくない。

　そこで、どうしたらマナー良く使ってもらえるか、そのためにはどんなサービスや施設が必要か、社会実験で調べる。すでに今月、山形県飯豊町の「道の駅いいで」でも実施されている。

　「道の駅よつくら港」では、駐車場のうち１７台分を車中泊専用区画とし、近くに流し場などを設置する。実験当日は午後４時から受け付けを行う。有料でゴミ袋を買ってもらい、翌朝、そのゴミを回収する。利用後はアンケート調査を行う。

　同研究会は「車中泊の利用者、車中泊はしないが道の駅を利用する人などに、アンケート調査をして利用実態を調べたうえで、今年度末をめどに、車中泊に関する提案を取りまとめたい」としている。

東北の放送局、アジアで６番組放映　観光の魅力ＰＲ

　東北の放送局などは、東北の魅力を伝える番組をアジア各地で放送する実験に着手した。11月ごろから来年２月ごろにかけて順次、韓国や台湾、上海などの日本語チャンネルやケーブルテレビで放送する。観光客誘致や物産販売のほか、放送局の海外向け企画・配信力の向上に役立てる。

　実証実験は総務省の全国事業の一環。東北分の６つの番組企画がこのほど決まり、企画を提案した放送局を中心に番組制作が始まった。

　番組の放映時間は１本30分程度。企画内容は岩手県出身の歌手・千昌夫氏を案内人にした青森・岩手・秋田の紹介（テレビ岩手の提案、台湾で放送）や、山形・宮城の温泉と湯治文化の紹介（山形テレビ、韓国）など。

大漁唄い込みフェスティバル

三陸沿岸に伝わる「大漁唄い込み」を伝えていこうという催しが１６日、気仙沼市で開かれ、宮城県と岩手県の団体が地域の唄い込みを披露しました。
大漁唄い込みは、船が豊漁だったことを祝う歌で、古くから三陸沿岸などに伝わっています。
気仙沼市唐桑町の港で開かた催しには地元をはじめ、岩手県の陸前高田市と大船渡市から合わせて６つの団体が参加し、それぞれの地域に伝わる大漁唄い込みを披露しました。
なかには、観客が船のかいを持って、いっしょに拍子をする唄い込みや全国でも珍しいという女性だけの唄い込みなどもあり、訪れた人たちを楽しませていました。
会場を訪れた岩手出身という女性は「５０数年ぶりにふるさとの唄いこみを聞いて、涙が出ました。ずっと伝えていってほしいです」と話していました。

人気の「車中泊」どう対応　道の駅「いいで」で社会実験、ルール探る

　飯豊町の国道113号沿いにある道の駅「いいで」で、「車中泊」に関する社会実験が8日から10日間、行われる。高速道路の無料化や団塊世代の退職、道の駅の充実などを背景に、自家用車に寝泊まりしながら旅する「車中泊」の人気が高まる中、車中泊のニーズや課題を探りながら統一ルールを策定、最終的には観光誘客に結び付ける狙いがある。

　車中泊をめぐっては人気が高まる一方で、道の駅のごみ箱への大量のごみの廃棄、洗面所での洗濯や炊事、さらには道路情報館などからの“盗電”といったマナーに反するトラブルが各地で表面化している。

　こうした“マナー違反”の原因となっている利用者ニーズを探りながら、それに対応する道の駅側のサービスを検討する。「いいで」では12台分程度の専用区画や流し場、洗濯機の設置、専用の袋を購入してもらってのごみの引き取りサービスなどを行った上で、利用者からアンケートに答えてもらう。専用区画や流し場の使用は無料、洗濯機はチップ制などを検討している。

　社会実験は、国交省の公募にアイデアを寄せた東北「道の駅」車中泊研究会が委託を受け実施する。「いいで」のほか、福島県いわき市の道の駅「よつくら港」でも実験する。研究会の事務局は「東北の『道の駅』として共通のルールをつくることで車中泊の人たちを受け入れやすくしたい。それを地域の観光地に入ってもらうきっかけにし、最終的には交流の拡大に結び付けたい」としている。

　また「いいで」を運営する飯豊めざみの里の安達純一専務は「利用者のニーズを把握し、対応可能かどうかを検討する材料になる。結果を受け、総合的な道の駅のレベルアップにつなげたい」と期待している。

高速道の落下物急増 猛暑でタイヤ破裂片多く

　県内の高速道路で車の部品やビニールシートなど落下物が相次ぎ、県警高速隊や東日本高速道路（ネクスコ東日本）が１～８月に処理した件数が前年を約２５０件上回る約１０００件に上ったことが２８日、分かった。中でもタイヤの破裂片が目立ち、破裂片を見つけて減速した車に後続車が追突する事故も発生。同高速隊は注意を呼び掛けている。
　落下物の処理件数をみると、ビニールシートやプラスチック類が約２２０件と最も多かった。次いでタイヤの破裂片や付属品など自動車部品が約２１０件、シートやロープ、布団など布類が約１２０件の順。
　タイヤの破裂片が増えた要因として、同社は、高速道路利用料金の大幅割引で走行車両が増えたほか、今年の猛暑が影響したとみている。一般的にタイヤの破裂は空気圧が十分でなかったり、タイヤの傷が原因とされるが、猛暑だった今年は路面の温度が上がり、タイヤに熱が蓄積され、破裂したとみている。
　同社は、高速道路を使う場合はタイヤの空気圧や劣化具合を確かめるなど、運転前の確認を十分に行うことと、定期的にサービスエリアやパーキングエリアでタイヤを休ませてほしいと説明。また走行中に落下物を見つけた場合は、その場所で停車せず、自分の安全を確保した後、通報してほしいと話している。
（２０１０年９月２９日　福島民友ニュース）