東北な温泉
温泉突進レポート

若松屋 村井六助

(肘折温泉)
〒996-0301 山形県最上郡大蔵村肘折温泉 TEL.0233-76-2031

入浴 400円
入浴、宿泊、湯治
男女別(内湯2)貸切1
シャンプー・セッケンあり

 9月、肘折温泉街の中心部にある意外と大きな旅館「若松屋・村井六助」にやって参りました。ここはなんちゅうか、かなりアットホームな旅館で、都会的感覚で来ると、なんじゃこりゃと腹を立てたくなるくらい、のんびりしているというか、牧歌的というか、そんな感覚のところなんです。昭和の時代に来たぐらいに思って来ると、ちょうど良いかもしれませんね~。細かいことは言いなさんな、おおらかな気持ちで泊って下さい。それが肘折温泉なんです。

 それから、肘折温泉のメイン通りはとても狭いので、裏の川沿いにある別館の前の駐車場に行くと、スムーズに事が運びます。受付もそちらでOKで、旅館部のある本館へは2階で繋がっている構造になっておりました。(‥2018年現在、別館は無くなったもようです)。
(宿泊)
 さて、部屋で荷をおろし、とりあえず明るいうちに浴場へ。‥写真も取りたいし~。

 で、本館3Fにある客室から1Fの浴場へ向かってみると、そこの細長い湯船には、笹色に濁ったお湯が注がれ掛け流されておりました。して浸かってみれば、注ぎ口では少し鉄の匂いがあり、肌を軽くこするとスベスベとし、強くこするとキシキシする、難しい肌触りのお湯なんです。おそらく炭酸水素のアワアワですべるのだと。まあ感覚的に、遠刈田温泉のお湯を思い出してしまいますね~。はい、やはり湯量豊富な温泉は、気持ち良いものです。

 それから後の夕食。別室に用意された料理は、さすがに山の料理といったものがほとんどを占め。まあ特筆すべきところは、コゴミのおひたし、ミズ、フキなどで、おや(?)クジラ肉も少々添えられておりますね~。(料理は一番安いコースのもの、写真は刺身をちょっとつまんだ後でして)。

 して翌朝、欲張って別館の浴場へも突進。そのかなり古めの浴室には、本館より少し小さめの湯船が設けられており、源泉表示は本館と同じものですが、注ぎ口のお湯は、鉄の匂いなども無く「あれ?」と。もしかして源泉から少し遠いので、匂いが飛んだのでしょうか。

 あと、別館では湯治をしているお客さん達の炊事をする音が廊下まで聞こえてきて。と、湯治といっても、のんびり寝ているわけではないんだな~と、何か勘違いをしていた自分に気付きましてね~。

泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 低張性中性高温泉 源泉:村井源泉(宿の独自源泉) 43.0℃ pH6.2

ナトリウム 469, 塩素 454, 硫酸 112, 炭酸水素 538, メタケイ酸 110, 二酸化炭素 638(お風呂は「組合2・3号泉、村井源泉」、山水加水)


本館、別館、料理の順



肘折温泉は「湯治の町」

 その後、夜10時になると防犯防火のための夜回りが始まったようで、外から「カチカチッ」という拍子木の乾いた音が聞こえて来たのです。でも何故か、あの「火のよ~じん」の声はなく。また、複数聞こえる拍子木の音色が、その木によって違ったりしていて、意外と味わい深いくも感じましたのです。

 して翌朝5時になると、にわかに外が賑やかになり、名物の朝市が始まったよう。まあそれでも起きない人のためではないでしょうが、6時になるとチャイムも鳴るのでございました。現代感覚で来ると、なじめないかも知れませんが、これが湯治の町、肘折温泉なのでございます。

 あと、帰りに隣のほていや商店で売っている「ほていまんじゅう」を買ったのですが、これが意外と家族に喜ばれました。茶色のまんじゅうで、中にこしあんが入ったもの。郡山の薄皮まんじゅうをちょっと素朴にした感じですかな~。
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©東北な温泉0509 , 18rw , Update:2024/09/17